喘息(気管支喘息)とは
主にアレルギー性の炎症によって、気管支がむくみ狭くなる病気です。
深夜から朝方にかけてや、激しい運動をしたり、温暖差がある所に移動すると息苦しくなったり咳が出るのが特徴です。
発作はお薬などによって数分~数時間で治まりますが、治まらない場合は命に関わる事もあります。
喘息が慢性化すると、突然息苦しくなったり咳が出たり、喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)を発したりします。
小児喘息の場合アレルゲンを特定できる事がほとんどですが、成人喘息の原因は喫煙、ストレスや睡眠不足、過労や風邪の悪化によるものが多いと考えられており、アレルゲンを特定できないこともあります。
そのため、大人になってから急に発症することも少なくありません。
小児喘息は、10歳頃までに50%、中高生になると80%程の方が治っていると言われますが、治らずそのまま成人喘息に移行することもあります。
喘息って遺伝するの?
喘息そのものは遺伝しませんが、アレルギー体質が遺伝することがあります。
アレルギー体質が遺伝したことにより、喘息になる可能性があります。
パルスオキシメーター(経皮的動脈血酸素飽和度測定器)の数値の見方
- 97%以上…通常
- 95%以下…息苦しい状態
- 90%以下…呼吸不全
- 75%以下…虚血性変化を起こす危険がある
(虚血性変化とは…動脈が狭窄や閉塞をおこし、血液の循環が足りない状態のこと。) - 50%以下…意識障害や昏睡状態に陥る危険がある
治療方法
治療方法には、長期管理薬(controller)と発作治療薬(reliever)があります。
長期管理薬…喘息発作の予防として長期的に使用する薬。気管支を長時間拡げる。
発作治療薬…急な喘息発作が起きたときに、応急的に使用する薬。
controller(コントローラー)の種類と作用
- ステロイド薬(吸入薬)
薬を吸い込んで肺まで届ける事で炎症を抑えます。
フルタイド、パルミコートなど。 - ステロイド薬(飲み薬)
全身に作用する薬で、炎症を抑える強い力がありますが副作用に注意する必要もあります。
プレドニン、リンデロン、セレスタミンなど。 - 長時間作用性β2刺激薬
交感神経を刺激して気管支を拡げます。
ホクナリンテープなど。 - 1,3の配合薬
気管支の炎症を抑え、かつ気管支を拡げる作用があります。
アドエア、シムビコート、レルベアなど。 - ロイコトリエン拮抗薬
気管支を縮小させる作用をするロイコトリエン化学伝達物質を鎮めます。
シングレア(モンテルカスト)、オノン(プランルカスト)など。 - テオフィリン徐放性製剤
作用時間が長く、気管支を拡げます。
テオドール、テオロングなど。
reliever(リリーバー)の種類と作用
- 短時間作用性β2刺激薬
交感神経を刺激して気管支を拡げます。
メプチンエアー、ベネトリンなど。 - テオフィリン薬
気管支の緊張を取って気管支を拡げます。
アミノフィリン、ネオフィリンなど。
点滴・経口ステロイド薬の副作用
高血圧、糖尿病、体重増加、消化性潰瘍、骨粗しょう症、血栓症、白内障、緑内障、動脈硬化、高脂血症、副腎不全など。
長期に渡ってステロイド薬を内服されてる方は、定期的に検査をしましょう。
喘息に似た症状のもの
気管支炎
感染により気管支に炎症が起こります。
ほとんどがウイルスによるため抗菌薬は効果がありませんが、症状が強い時や長引く場合は細菌感染を疑います。
2週間以上咳や息苦しさが続いたり、夜眠れないなどの症状が続く場合は喘息を疑います。
肺炎
肺炎も喘息と同じように咳や息苦しさがありますが、それに加えて高熱を伴うことが多いです。
肺炎は、血液検査での炎症反応やレントゲンを撮ることでわかります。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
症状は似ていますが、喘息は発作が治まれば呼吸機能も正常に戻るのに対し、COPDは一度肺組織にダメージを受けてしまうと呼吸機能が完全に回復することはありません。
主な原因はタバコの煙で、受動喫煙でも発症率が高まります。
予防をしましょう!
- 適度にストレス発散をし、睡眠をしっかりとりましょう。
- タバコの煙は治療薬の効き目が悪くなる上に、気管支を刺激し炎症をおこします。喫煙・受動喫煙を避けましょう。
- アレルゲンを避けるため、こまめに掃除をしましょう。
- 人が多い所は感染リスクが高まるため、マスクをしましょう。
(菌やウイルスに感染すると、肺炎になったり、大発作を起こしやすくなります。) - アルコールは発作を誘発するため、なるべく避けましょう。